今回は当院の訪問診療の現状について、お話させて頂こうと思います。 平成29年５月１日現在、当院で担当させて頂いている患者様の数は、在宅で24人、施設で１０４人です。この方々と３６５日24時間何かあれば、対応させて頂く契約を結ばせて頂いております。当院の訪問診療のスタイルとしては、24時間対応してもらえる外部の訪問看護ステーションと基本的に全患者様に契約して頂き、訪問看護と訪問診療の両面からサポートさせて頂く体制をとっています。また訪問診療の適応疾患としては、小児疾患や当院で対応が困難な難病疾患等を除き、悪性腫瘍や難病の患者様と、脳疾患、心疾患、呼吸器疾患、消化器疾患、精神疾患、整形外科疾患、老衰などの患者様のうち、基本的には通院が困難で介護度３以上の方を対象とさせて頂いております。また訪問診療を希望された場合、患者様本人あるいはその御家族と面談し、まず当院の訪問診療スタイルと１か月間にかかる費用などについてご説明させて頂きます。そして特に高齢症例では、基本的には急変時に在宅あるいは施設で点滴などの延命治療を希望されず、内服などの治療でもし改善しない場合には、お看取りまで希望される患者様を優先して対応させて頂いております。このような体制で約８年間訪問診療を行ってきましたが、施設あるいは自宅で看取らせて頂いた総患者様数 は、３２８人となっております。 訪問診療の説明をする上で、最も多く患者様の御家族から質問を受けてお答えする内容としては、急に具合が悪くなった際に、早急な救急対応や入院での集中的な治療を患者様または御家族がもし希望されるのであれば、訪問診療や訪問看護は24時間で対応するというものの、在宅や施設に向かう時間がかかること、多くの患者様に対応しているのですぐにはいけない可能性があること、入院で行うような点滴治療や酸素投与などは訪問診療では制限があり十分には行えないことなどを御理解頂き、急変時に入院対応を希望される病院への通院をお勧めしております。 当院では今後も、積極的な入院治療は希望されず、御本人の負担が少ない必要最低限の治療にて改善しない場合には、施設あるいは自宅で看取りを希望される患者様に対して、可能な限り対応させて頂きたいと考えております。