医療コラム

夜間急病センターの利用の仕方

北見市では今年の4月から夜間急病センターが設置される予定になっておりますが、その利用の仕方について市民の皆様にお願いがあります。私はこれまで北海道のあちこちの病院で当直をしてきましたが、何度も不適切な利用の仕方をされている患者様を診る機会がありました。皆さんも御存知のように現在国の施策で医師の数が少なくなり、特に地方には医師がかなり不足しております。そのため北見市の夜間急病センターの常勤医もなかなか決まりません(2/2現在)。いずれは決まると思いますが、夜間急病センターを不適切に利用する方が多ければ多いほど、そこに勤める医師のモチベーションは下がり、疲れてしまい長く続かなくなってしまいます。その為市民の皆様一人一人に適切な受診をして頂き、夜間急病センターが長く存続できるようにお願いしたいと思います。まず私が経験した不適切な利用の仕方をしていた患者様の例を挙げさせて頂きます。
①1週間前から風邪をひいている。
②いつもかかりつけ医からもらっている薬がほしい。
③数日前から腰が痛い。
④さっき高熱が出たのでインフルエンザの検査をしてほしい。
⑤眠れないので睡眠薬がほしい。
⑥鼻水・鼻づまりがつらい。
⑦特に症状はないが熱が出たので解熱剤がほしい。
⑧お酒を飲みすぎて明日仕事なので点滴をしてほしい。
⇒まず①〜③に関しては、日中どこかの病院に受診できたはずです。仕事が忙しくて受診できなかったというのは理由にはなりません。仕事が忙しくても何とか時間を見つけて日中来院されている患者様は多くいらっしゃいます。不適切な受診で一番多いのが①です。次に④もインフルエンザ流行期には多いですが、インフルエンザの検査は熱が出てから24時間くらい経たないと正確に判定できません。またインフルエンザの薬は熱が出てから48時間以内に投与開始すれば重症化しにくいと言われておりますので、呼吸困難や意識障害、異常行動などがあれば別ですが、翌日の日中に受診した方が確実です。⑤⑥は命には関わりませんので、一晩我慢して翌日受診しましょう。⑦に関してのアドバイスとしては、幼児から高齢者までに共通して言えますが、症状が熱だけでぐったりしておらず、水分がとれていて尿が出ている状態であれば受診は翌日で大丈夫です。⑧は病気ではありませんので、自分で水分を十分にとって頑張りましょう。 以上簡単にお話させて頂きましたが、夜間急病センターというのはその日のうちに手当てをしておかないと重症化してしまうような患者様が受診すべき設備です。しかし実際には受診した方が良いか迷われるケースが多いと思います。夜間急病センターを受診しようと思われる皆さんにお願いですが、受診される前に必ず電話をしてから受診して下さい。受診するほどではなくアドバイスだけで対応できるケースもあり、救急車で2次救急に行くべきというケースもあります。電話をしてから来て頂いた方が対応する側もどのような患者様が来院されるのかがわかるので、準備ができます。北見市夜間急病センターがずっと存続できるように、市民の皆様一人一人が大切に利用して頂くよう、ご協力よろしくお願い致します。

お問合せ

〒090-0065 北海道北見市寿町5丁目1-10

0157-26-6471

発熱などの症状のある方は、来院される前に必ずご連絡をお願いいたします。