医療コラム

アルコールの飲みすぎに注意!(後編)

(前回コラムの続き)
③胃&十二指腸〜胃と十二指腸は飲酒により粘膜が障害され、炎症や潰瘍を起こしやすくなります。食道癌と同様に特に飲酒の頻度が多い方や、アルコール度数が高いお酒を好む方の方が起こりやすくなります。お酒を飲むとみぞおち辺りが痛くなったり重くなったりする方は要注意です。
④肝臓〜アルコールで肝臓が悪くなることは皆さんご存じだと思います。アルコールを飲むとそれを無毒化するために肝臓で分解します。その為飲みすぎると肝臓の負担が大きくなり、肝臓の細胞も障害されます。常にアルコールで肝臓に負担がかかっていると、やがて肝臓は石のように硬くなり、肝硬変という肝臓の機能が著しく低下した状態に陥ります。そうなると肝臓は元に戻りません。しかもこの肝硬変になると高率に肝臓癌が発生しやすくなります。肝硬変の症状は全身のむくみ、腹水、だるさ、黄疸、頭がぼーっとしたり手が震えるなどです。もし良くお酒を飲む方でこのような症状がある方は、一度診察を受けて頂いた方が良いと思われます。何より大切なのは肝硬変になる前に、お酒の量を減らし肝硬変と肝臓癌にならないようにするということです。もしB型肝炎やC型肝炎ウイルスが身体の中にいると言われている方は、いない方に比べて飲酒をした時の肝臓の負担が数倍になりますので、飲酒は極力控えましょう。
⑤膵臓〜膵臓もアルコールを飲み続けるとダメージを受ける臓器です。アルコールを毎日長期間飲むと、膵臓に炎症が常に起こり膵臓が痩せてきて慢性膵炎という状態になってしまいます。この状態になると膵臓癌が発生しやすくなり、膵臓から分泌されているインスリンという血糖を下げるホルモンの分泌量も少なくなってくるため、糖尿病にもなりやすくなります。これに対し、アルコールで急に膵炎を起こしてしまうこともあります。それが急性膵炎です。急性膵炎は軽症から重症まで様々ですが、中でも重症急性膵炎という状態になってしまうと、3人に1人くらいの割合で命を落とすことがあります。もちろん慢性膵炎の方がこの急性膵炎を起こすことの方が、慢性膵炎がない方に比べて多いです。慢性膵炎の症状は、腹部の鈍痛や激痛、背部痛が繰り返し起こるような症状です。特に飲酒後や脂物を食べた後、これらの症状が出る方は一度診察を受けて頂いた方が良いと思われます。一方、急性膵炎の症状は腹部や背部の激痛ですので、病院に受診することになると思われます。 以上のように過剰なアルコール摂取は身体に様々な悪影響を起こし、取り返しのつかない状態まで身体を悪くすることがあります。その為アルコールを飲まれる方は適切な量を休肝日を設けながら飲んで頂くようにお願いいたします。

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