医療コラム

アルコールの飲みすぎに注意!(前編)

これからクリスマス、忘年会、正月、新年会とお酒を飲む機会がどうしても増える季節がやってきます。飲みすぎは良くないことは誰もがわかっていますが、今回と次回のコラムで医学的にどうして飲みすぎは良くないのかを中心にお話しし、飲みすぎに注意して頂きたいと思います。さてそもそもどれくらいお酒を飲むと飲みすぎなのでしょうか?一般的には、1日の飲酒量がビールで500ml、ワインで200ml、焼酎で1/2合(90ml)、ウイスキーで60ml、日本酒で1合(180ml)を超えると飲みすぎです。もちろん併用される場合はそれぞれ半分ずつの量にするなど、それぞれを減らす必要があります。飲酒の頻度としては、1週間の7日のうち飲酒するのは3日までとし、4日以上休肝日にすることをお勧めします。この1日飲酒量と飲酒頻度を守れば、一般的には適量と言えると思います。ではこれ以上飲むと身体にどのような悪影響が出るのでしょうか?アルコールでダメージを受けやすい臓器は多く、代表臓器としては脳や神経、食道、胃、十二指腸、肝臓、膵臓が挙げられます。 ①脳&神経〜脳や神経に最も良くない飲み方は、食事をとらずお酒だけを飲む飲み方です。食事を食べずにお酒を飲み続けるとビタミンB1が不足して脳がやせてしまい、うまく歩けなくなったり認知症のような症状が出たりします。またこのビタミンが不足すると神経にも悪影響が出て全身がしびれるようになり、重症になると自分で歩けなくなり日常生活が送れなくなります。またアルコール依存症という言葉を聞いたことがあると思いますが、アルコールには精神的・肉体的に依存性があり、毎日お酒を飲まれるような方に起こりやすいと言われています。アルコール依存症の方は入院などでお酒を3〜4日くらい飲めなくなると、落ち着かなくなったり手が震える、すごく汗が出る、動悸がする、幻覚が見えるなどの症状がでます。御自身がアルコール依存症か確認するためには、1週間一切飲酒をせず何か起こらないかチェックして頂くのが良いと思われます。 ②食道〜食道は咽頭と共にアルコール、特にアルコール度数の高いお酒を飲むことにより粘膜が障害され、癌が発生しやすくなる臓器です。特に最近食道癌になりやすい人の特徴がわかってきています。飲酒により顔が赤くなる人、連日飲酒をする人、アルコール度数が高いお酒を良く飲む人、喫煙する人などです。食道癌を予防するには、節酒と禁煙が最も大切です。 (次回コラムに続く)

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