医療コラム

胸のつかえ感

水分をとったり食事をしている際に、毎回のように胸のつかえ感がある方はいらっしゃいませんか?もしそのような症状がある際には、次のような病気が潜んでいる可能性があります。 ①食道腫瘍〜食道は、飲んだり食べたりしたものが通過する管ですので、もしこの部位に腫瘍ができるとそれらが通過しにくくなり、胸のつかえ感となることが考えられます。食道腫瘍の代表的なものには食道扁平上皮癌が挙げられます。食道扁平上皮癌は、喫煙者や飲酒をよくされる方に多いことが知られていましたが、最近では特にお酒を飲むと赤くなる方が要注意だということが分かってきました。ですので、症状が無くてもタバコを吸いながら赤い顔をして毎晩のようにお酒を飲んでいる方や、喫煙や飲酒はほとんどしないが胸のつかえ感などの症状がある方は、内視鏡などでの検査をお勧めします。 ②逆流性食道炎〜これは胃酸が食道に逆流することで、胸やけや胸のつかえ感などの症状を引き起こす病気です。この病気は日本において、食事の欧米化やヘリコバクターピロリ菌感染の減少などにより増えてきています。また逆流性食道炎により長期間、食道に炎症を起こしていると、食道腺癌発生のリスクになるのではないか、と言われてきています。その為、逆流性食道炎の疑いがある方にも内視鏡などでの検査をお勧めします。逆流性食道炎の治療は、胃酸を抑える薬などを定期的に内服することで、食道の炎症や症状を改善させます。 ③食道カンジダ〜これは食道の粘膜にカンジダというカビの一種が感染することにより、胸やけや胸のつかえ感などの症状を引き起こす病気です。これは糖尿病や肝硬変、慢性腎不全などの病気、免疫抑制剤の長期内服、疲れなどにより、免疫力が低下している方に起こりやすいと言われています。食道カンジダは内視鏡検査で診断がつき、治療は抗真菌剤の内服となります。 以上のような病気が、胸のつかえ感を引き起こす代表的な疾患です。食道の病気は採血検査やCT検査などではわからないことが多いため、何か症状がある方や食道の病気が心配な方は、内視鏡での検査をお勧めします。

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