医療コラム

「新型コロナ禍での診療⑧」

今回の仮想患者様Gさんは90歳の男性の方で、約5年前に脳梗塞で右半身麻痺となり、自宅での生活が困難となったため施設に入所。通院も困難であるため、当院に訪問診療の依頼があり。約5年間定期的な施設への訪問診療にて、内服治療など継続して行っていました。今年の夏は暑く、連日日中30℃を超える日が続き、夜間もあまり気温が下がらない日も多くありました。そんな最中、入居施設からGさんが昨日から38度を超える発熱がみられ、ぐったりしているという連絡あり。同じ施設内にあと2人同じように発熱している人もいるとのこと。その頃北見市内では、新型コロナ感染者が急増していて、どこで感染したかわからない人も多くみられる市中感染も発生していました。新型コロナ感染が流行していなければ、状況から熱中症の可能性が高いと考えますが、同施設で複数人の発熱者が出ていることも考慮すると、新型コロナ感染も否定できないと判断。そのため新型コロナの抗原検査を実施するため、N95マスクとフェイスガード、ガウン、キャップ、グローブを装着の上、往診を実施。Gさんに検査を実施しましたが結果は陰性で、やはり熱中症の可能性が高いと判断。そのため全身を冷やし水分摂取を促すように指示し、数日後には解熱し元の状態に改善したとのことでした。 北見市内の65歳以上の方と高齢者施設等入所者の方への新型コロナワクチン接種は、ほぼ打ち終わっています。市内に新型コロナ感染症が流行していると、いつどこで感染するかわかりません。特にワクチン接種後の方は、重症化しにくいというメリットの反面、もし新型コロナウイルスに感染しても、発熱や咳などの症状が軽く、中には倦怠感のみという方も珍しくはありません。そのため熱中症や風邪との区別がつきにくいことが多くなり、ワクチン接種をまだ行っていない若い世代に感染させてしまう恐れもあります。そのためワクチン接種済の方もワクチン未接種の方も、全国的に感染者が急増している現在、今まで以上に感染対策に留意して、人混みや換気が不十分な環境、不要不急の外出を避けるようにしましょう。

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発熱などの症状のある方は、来院される前に必ずご連絡をお願いいたします。