医療コラム

新型コロナ禍での診療④

今回の仮想患者様Cさんは90歳の男性の方で、以前から認知症があり、約5年前からグループホームに入所されていました。同じ市内に娘さんがいましたが、約1年前まで仕事をしていて、どうしてもCさんを自宅で介護をすることができませんでした。娘さんは、Cさんが入所していたグループホームに、数日に一度Cさんに会いに行って、ゆっくり話をしたり、食事を手伝ってあげたりしながら、一緒にいる時間を作れていました。約1年前に娘さんが定年退職となり、今後は毎日のように施設でゆっくりCさんと面会ができると考えていた矢先、新型コロナ禍の影響で、ご家族がグループホームへ入ることができなくなってしまいました。グループホームに電話でCさんの様子を聞いたり、窓越しの面会などもお願いしましたが、グループホームも施設の消毒などで忙しく、対応してもらうことも困難となってしまいました。そのような状況が約半年続いたある日、施設から最近Cさんの食事量が減ってきて、元気もなくなってきたと連絡があり、面会をお願いするもそれはできないと断られてしまいました。娘さんはこのままだとCさんに会えないまま、Cさんが亡くなってしまうのではないかと考えました。そのため仕事も退職し時間もできたため、思い切ってCさんの自宅で介護をすることを決意し、当院に訪問診療の依頼のため娘さんが来院。Cさんが自宅へ戻って来られるように、介護ベッドのレンタルや移送サービス、訪問看護、訪問介護、訪問入浴の各種手配などケアマネージャーと連絡をとり、約1週間で体制が整いました。その後速やかにCさんは自宅に戻り、娘さんの介護を受けながら自宅での療養を開始。Cさんは以前より認知症が進んでいたものの、少し時間はかかりましたが、自宅に帰ってこれたことや娘さんのことは何とか理解できるようになりました。その後も娘さんの懸命の介護の甲斐もあり、徐々に食事量も増えていき、何とか元気を取り戻すことができました。その後、これまでなかなかできなかった、本州の息子さん家族との面会も、来る前にPCR検査を受けて陰性を確認した上で、Cさんの自宅で実現し、Cさんはとてもうれしそうだったとのことでした。娘さんは介護は大変だが、何とかCさんが最期まで自宅で過ごせるように頑張っていくとのことで、訪問診療や訪問看護などの各種サービスで今後も自宅療養を支えていく方針としました。

お問合せ

〒090-0065 北海道北見市寿町5丁目1-10

0157-26-6471

発熱などの症状のある方は、来院される前に必ずご連絡をお願いいたします。