十一月になるとだいぶ気温が低くなってきます。気温が低くなると、血管が収縮して血圧が上がりやすくなります。また寒くなると運動不足になったり、しょっぱいものを食べる量が増えたりと血圧が上がりがちになります。高血圧で病院に通院している方も多いと思われますが、では血圧が高いと何故身体によくないのでしょう?それは血圧が高いほど脳卒中、心疾患、慢性腎不全などの病気になりやすく、それらの病気で死亡する率も高くなるからです。男性では収縮期血圧(上の血圧)が10 mmHg上昇すると、約20%脳卒中になりやすく死亡もしやすくなり、約15%狭心症や心筋梗塞になりやすく死亡もしやすくなると言われています。その為高血圧を放置するのは非常に危険なことなのです。それでは高血圧に対しどのようなことをするべきなのでしょう?まず血圧が高くなる代表的な原因は、加齢と塩分過剰摂取です。高血圧に関わる加齢性変化の代表的なものとして動脈硬化が挙げられます。年をとると動脈が固くなってくる為、血液の流れがスムーズにいかなくなり血圧が上がるのです。年をとらないようにすることはできませんので、この動脈硬化の進行を少しでも防ぐことが必要となります。その為動脈硬化を進行させるメタボリック症候群や脂質異常症、糖尿病の治療が、高血圧への進行を防ぐ方法と言えます。また減塩も血圧を下げるために必要な治療で、現在の日本人の平均食塩摂取量は1日11〜12gとされていますが、それを1日6g未満にする必要があると言われています。その他にも減量、適度な運動、節酒、禁煙、ストレスの回避なども高血圧に対し一定の効果があると言われています。これらの高血圧の原因を食事療法や運動療法、生活習慣の修正などで改善させ、それでも血圧が高い場合には薬物療法の併用が必要と考えられます。血圧を下げる内服薬は最近では様々な種類がある為それぞれの患者様に適した内服薬の選択と、目標とする血圧値に向けて主治医への定期的通院が必要だと思われます。以上のことに注意しながら血圧の上昇に気をつけ、脳卒中や心疾患を発症しないように心掛けましょう! 話は変わりますが、十一月になると本格的にインフルエンザワクチンの接種が始まります。今年もインフルエンザに感染して重症化しないためにも、皆さん!ワクチン接種をお願いします。