医療コラム

体重増加

適度な食事と運動を心掛けているのにも関わらず、体重がどんどん増えてしまうという方はいらっしゃいませんか?その場合にまず考えるのは、身体に水が貯まっていないかということです。水は重いですので、身体に水が貯まると体重増加に直接影響します。身体に水が貯まる代表的な病気には、次のようなものが挙げられます。
①心不全〜これは、全身に血液を送るポンプの役割をもつ心臓の機能が低下した時に起こる病気です。この場合出現する症状としては、全身のむくみや呼吸苦、息切れ、尿量の低下などが挙げられます。
②腎不全〜これは、身体の老廃物や余分な水分を尿として排出する役割をもつ腎臓の機能が低下した際に起こる病気です。この場合出現する症状としては、全身のむくみや呼吸苦、息切れ、尿量の低下、慢性的に経過すると貧血症状(動悸、息切れ)などが認められます。
③肝硬変〜これは慢性肝炎などが原因で、肝臓が石のように硬くなり、肝臓の機能が著しく低下してしまった状態です。この場合出現する症状としては、全身のむくみや腹水貯留による腹満感、尿量の低下などが挙げられます。
④癌性腹膜炎〜これは身体のどこかで発生した癌細胞が、お腹の中に転移することでお腹の中に炎症を起こし、腹水が貯まる病気です。この場合出現する症状としては、便秘や嘔気、嘔吐、腹水貯留による腹満感、腹痛、尿量の低下などが挙げられます。
⑤甲状腺機能低下症〜首の前面に甲状腺という臓器があります。この臓器から甲状腺ホルモンというものが分泌され、身体の代謝に影響を及ぼします。甲状腺機能低下症により甲状腺ホルモンの分泌量が低下すると、代謝が下がることで脂肪がつきやすくなったり、むくみが出やすくなることで体重増加となります。この場合に出現する他の症状としては、倦怠感や全身の筋肉のだるさ、肝機能障害などが認められることがあります。
⑥ネフローゼ症候群〜これは、本来腎臓から尿へ漏れ出ない蛋白質が、何らかの原因で大量に漏れ出てしまうことで、血中の蛋白質の量が低下してしまう病気です。そうなると蛋白質には水を引きつける働きがあるため、血液中の水分を血管内に留めておけなくなります。そうなると水分が血管の外に出て、全身のむくみや胸水、腹水などの原因となります。 食事や間食を食べ過ぎていないのにどんどん体重が増えて、全身のむくみがあったり、尿があまり出ないという方がいらっしゃいましたら、念のためお近くの内科での検査をお勧め致します。

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