「最近血圧が上がってきたなー」、「しょっぱいものを食べると血圧が上がるよ」、「雪かきしたら血圧がすごく高くなっちゃった!」というように、日常で血圧という言葉はよく使われています。また最近では家庭用の自動血圧計も普及してきているため、高血圧が一番身近な病気となっているのではないでしょうか。 2000年のある調査によると、30歳以上の日本人男性の47.5%、女性の43.8%が高血圧と言われており、日本の高血圧患者数は約4000万人と言われています。では血圧が高いと何故身体によくないのでしょう?それは血圧が高いほど脳卒中、心筋梗塞、心疾患、慢性腎不全などの病気になりやすく、それらの病気で死亡する率も高くなるからです。男性では収縮期血圧(上の血圧)が10 mmHg上昇すると、約20%脳卒中になりやすく死亡もしやすくなり、約15%狭心症や心筋梗塞になりやすく死亡もしやすくなると言われています。その為高血圧を放置するのは非常に危険なことなのです。それでは高血圧に対しどのようなことをするべきなのでしょう?まず血圧が高くなる代表的な原因は、加齢と塩分過剰摂取です。高血圧に関わる加齢性変化の代表的なものとして動脈硬化が挙げられます。年をとると動脈が固くなってくる為、血液の流れがスムーズにいかなくなり血圧が上がるのです。年をとらないようにすることはできませんので、この動脈硬化の進行を少しでも防ぐことが必要となります。その為動脈硬化を進行させるメタボリック症候群や高脂血症の治療が、高血圧への進行を防ぐ方法と言えます。また減塩も血圧を下げるために必要な治療で、現在の日本人の平均食塩摂取量は1日11〜12gとされていますが、それを1日6g未満にする必要があると言われています。その他にも減量、適度な運動、節酒、禁煙、ストレスの回避なども高血圧に対し一定の効果があると言われています。これらの高血圧の原因を食事療法や運動療法、生活習慣の修正などで改善させ、それでも血圧が高い場合には薬物療法の併用が必要と考えられます。血圧を下げる内服薬は最近では様々な種類がある為それぞれの患者様に適した内服薬の選択と、目標とする血圧値に向けて主治医への定期的通院が必要だと思われます。 今年は雪が多く寒い日も続いていますので、しょっぱい漬物を食べながら家で過ごすことも多いかもしれませんが、以上のことに注意しながら血圧の上昇に気をつけ、脳卒中や心疾患を発症しないように心掛けましょう!