医療コラム

二月に多い病気

寒い日が続いておりますが、二月に多い病気とその対策については次の通りです。 ①虚血性心疾患〜これは二月に関わらず、寒い季節に多い傾向があります。私が医学生の時の授業で、太った男性が暖かいレストランでタバコを吸いながらお酒を飲んで、その店の外に出たとたん、心臓の発作を起こすという絵で勉強したことを今でもよく覚えています。寒くなると血管が収縮して血圧が上がるだけではなく、心臓の負担も増えます。特に糖尿病や脂質異常症、高血圧などの動脈硬化を進める病気を持病として持ち、タバコを吸う方は要注意です。それまで全く自覚症状が無くとも、暖かい所から十分な防寒をせず急に寒い所に行くと、心臓への負担が急激に増えることで、虚血性心疾患である狭心症や心筋梗塞を発症しやすくなるのです。逆に寒い脱衣所や風呂場で裸になり、身体が冷えた状態で急に熱い浴槽に入ると、これも急激に血圧の上昇と下降が起こり心臓の負担が増します。その為何度かニュースにもなっていますが、入浴中に心臓発作を起こして浴槽で溺れてしまうという事故につながります。暖かいところから寒いところに行く時には十分な防寒をすること、入浴前には脱衣所や浴室を暖かくして、入浴前に身体にお湯をかけて慣らすなどしてから入浴することなどに留意して、極力心臓の負担を減らすようにしましょう。 ②脳卒中〜脳卒中には大きく分けると脳梗塞と脳出血があります。脳梗塞は虚血性心疾患と同様に、動脈硬化で脳の血管が細くなり、そこがつまると脳梗塞となります。脳出血は動脈硬化などでもろくなった脳血管や脳動脈瘤が、急激な血圧の上昇などで破れることで脳出血を発症します。その為心臓と同様に、脳血管も急激な血圧の変化で負担が増えるため、急激な寒暖の差により脳卒中が発症しやすくなるのです。虚血性心疾患と同様に、脳卒中を防ぐためにも寒暖の差を少なくする工夫が必要となります。 ③転倒による骨折など〜今年は寒いので道路や歩道がツルツルです。私も今年になって3回くらいおもいっきり転んでいます。私の患者様や知り合いの方が、年末年始にかけて数人転倒して骨折されたり、頭を強く打って脳震盪を起こして入院されたりしています。皆さん雪がとけるまで、気を付けて外を歩きましょう。

お問合せ

〒090-0065 北海道北見市寿町5丁目1-10

0157-26-6471

発熱などの症状のある方は、来院される前に必ずご連絡をお願いいたします。