医療コラム

新型インフルエンザ感染症について

今回は、感染の拡大で最近いつも耳にする新型インフルエンザ感染症についてコラムを書きたいと思います。恐らくこのコラムが発行される頃には、このオホーツク圏でも新型インフルエンザウイルスに感染してしまう方が大勢いらっしゃると予想されますので、このコラムの知識が何かのお役に立てばと思います。 さて新型インフルエンザは、毎年冬くらいに流行する季節性インフルエンザと違い、ほとんどの国民が免疫を獲得していないことから急速に感染が拡大し、多くの人の生命および健康に重大な影響を与える恐れがあるといわれています。その感染経路は通常のインフルエンザと同様で、咳やくしゃみと共に放出されたウイルスを吸い込むことによっておこる飛沫感染と、ウイルスが付着したものをふれた後に目、鼻、口などに触れることで、粘膜や結膜などを通じて感染する接触感染が考えられています。またその症状には、季節性インフルエンザでも起こる高熱や咳、咽頭痛、関節痛に加えて、下痢や嘔吐などの消化器症状が多いとされています。ほとんどの方は軽症で回復しますが、慢性呼吸器疾患や慢性心疾患、糖尿病、腎機能障害、ステロイド内服などによる免疫機能不全、などの基礎疾患を持っている方、妊婦、乳幼児、高齢者では重症化するリスクがあります。また最近では、10代〜30代で重症化しやすいという報告もあります。それではこのような新型インフルエンザに対し、市民の皆さんはどのように対応していけばよいのでしょうか?まず知って頂きたいのが新型インフルエンザの致死率は推定0.4〜0.5%だということです。すなわち1000人感染したら4〜5人が死亡するという値で、感染したらす ぐ命に関わるという値ではありません。その為もし感染してしまっても冷静な対応をお願いしたいと思います。最も大切なことは市民の皆様で感染者数を最小限に抑えて、死亡者数を最小限にくい留めるということです。具体的な方法としては、自分の症状が新型インフルエンザかも?と思ったらすぐ病院へ行くのではなく、一度医療機関に電話してから行くという方法です。連絡なしに病院へ行くと、元々持病あって身体が弱っている人が大勢集まっている所ですので、自分が発生源となって爆発的に感染者数を増加させ、死亡者数を増やしてしまいます。一度電話しておくことで、病院も色々体制を整えてからスムーズに診察することができます。また診察の結果、やはり新型インフルエンザの可能性が高ければ仕事や学校を休み、薬を飲みながら極力自宅から出ないことが感染を広げない方法です。人の大勢集まる場所へ行くと、感染者が爆発的に増加しますので外出を極力自制して頂きたいと思います。手洗いやマスク着用、うがいはもちろん感染予防には大切ですが、それ以上に感染した後の対応も非常に大切です。今後オホーツク圏の新型インフルエンザ感染症による死亡者が一人でも少なくなるよう、市民の皆様の冷静な対応とご協力をよろしくお願い致します。

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