三月に多い病気は何と言っても、花粉症に関連したアレルギーの病気でしょう。代表的なものには、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎などがあります。北海道はスギが少ないので、本州で大多数を占めるスギ花粉による花粉症は少なく、シラカバやイネ科の植物による花粉症が多いようです。アレルギー性鼻炎の症状は、くしゃみと鼻水、鼻づまりが代表的で、その他には鼻水が喉の方に流れていくので痰の増加にも関与しています。また鼻の粘膜が充血しているので、鼻血も出やすくなるようです。よく内科にも風邪と思って受診される方がこの時期多いですが、風邪との違いは、のどの痛みや咳、熱があまりみられず、目のかゆみがある方はまずアレルギー性鼻炎の可能性が高いと思われます。アレルギー性鼻炎の治療としては、点鼻薬や内服薬があります。内服薬は抗アレルギー薬で、眠気がくるものもありますので、車の運転などに気をつけましょう。 アレルギー性結膜炎の主な症状は、目のかゆみと異物感、涙目、目やにです。アレルギー性結膜炎の原因のほとんどは、花粉症によるものといわれているようです。アレルギー性結膜炎の特徴は、他の眼疾患と比べて、毎年同じような季節に症状が出ること、両方の目に症状が出ることが挙げられます。治療は抗アレルギー薬の点眼薬、点眼薬で改善しない場合には、抗アレルギー薬の内服も行われることがあるようです。 これらの疾患の他に、病気ではないのですが、毎年患者さんに相談される症状があります。それは寒い外から暖かい家に入った時や、風呂に入って急に体が温まった時、布団に入って体が温まった時などに、全身が痒くなるという症状です。人間は寒い環境にいると、毛細血管などの比較的細い血管を縮めて体外に熱が逃げるのを防ぎます。そして暖かい環境になると、それらの血管を広げます。その際に急に全身の血流が良くなるため、皮膚の血流も良くなって全身の皮膚の痒みが出るものと思われます。またその際に、鼻の粘膜の細い血管も縮んでいたものが拡張するので、開いた血管から粘液が出やすくなり、鼻水が増えるという症状にもつながると思われ、私は毎年この時期、寒暖の差によるものと花粉症性の鼻炎に悩まされています。 今年は雪が多かったので、暖かくなった時の屋根からの落雪や、雪止め水による河川の増水にも気をつけましょう。

