今年は暑い日が多く、外で焼肉を楽しむ方が多いのではないでしょうか。我が家も家族で焼肉をよくしますが、気をつけている点があります。皆さんも気をつけているでしょうか?北見市では焼肉が盛んであるため、次のことを是非参考にして頂きたいと思います。 我が家で焼肉をする際に気をつけている点は、
①生肉を調理したまな板や包丁、皿は使用後熱湯消毒し、生肉に触れた手は良く洗ってから次の調理を行うこと、
②生肉を持つ時と焼く時はトングで、焼けた肉を持つ時は箸でとしていることです。
これらは生の肉に触れたものを直接口に運ばないようにするための工夫です。何故このようなことをするかというと、生の肉や内臓にはカンピロバクターという細菌やE型肝炎ウイルスなどが含まれていることがあるため、十分加熱をしないとそれらがヒトの口から入り込んで感染してしまう恐れがあるからです。①は例えば生肉を切った後、そのまま同じまな板や包丁でサラダなどを作った場合、サラダは加熱しないためこれらの細菌やウイルスがサラダに付着してしまう可能性があります。また②は生肉を持つ時も焼けた肉を食べる時も同じ箸を使うと、箸にこれらの細菌やウイルスが付着している可能性があります。そのため①や②を行わないと、それらに感染するリスクが高まるのです。ではこれらがヒトに感染するとどうなるのでしょうか? カンピロバクターは食中毒の原因となる細菌で、感染すると約2〜7日後に下痢や腹痛、嘔吐、発熱、頭痛などの症状が出現し、抵抗力が弱い高齢者や妊婦、子供では重症化することもあります。一方E型肝炎ウイルスは体に入り込むと急性肝炎を起こす可能性があるウイルスで、感染すると約2〜9週間経ってから発症します。発症すると腹痛や嘔吐、発熱、黄疸、尿が茶色っぽくなる、肝臓が腫れるなどの症状が出ます。頻度は低いものの、中には劇症肝炎という重症な肝炎を引き起こし、命に関わることもあります。また北見市では、かつて焼肉店でのE型肝炎の集団感染も報告されています。E型肝炎は全国的には急性肝炎全体の1%程度であるのに対し、北海道では急性肝炎全体の約11%といわれており、北海道においては他人事ではないといえますね。 こんな話を聞くと焼き肉を食べたくなくなるかもしれませんが、きちんとした調理法でしっかり火を通せばこれらの細菌やウイルスは熱に弱い為、心配するに及びません。今後はこれらのことを各ご家庭で留意し、これからも安全に焼き肉を楽しみましょう!

