医療コラム

禁煙してみませんか?

これまで胃がん、大腸がんなどについてのコラムを書いてきました。それらのがん以外の肺がんや食道がん、咽頭・喉頭がん、膵臓がんなどの様々ながんにも共通していることですが、喫煙ががんの誘因となっていることが知られています。今回のコラムでは喫煙による害や禁煙が難しいメカニズム、禁煙治療についてお話したいと思います。 まず喫煙による害ですが、タバコを1本吸うとどれくらい寿命が縮むか皆さんご存知ですか?ある文献によると、統計学的には1本吸うと寿命が約7分縮むといわれています。皆さんもご存知の通り、受動喫煙といってタバコを吸う人の傍にいても害があるということもわかってきています。喫煙は百害あって一利なしといわれる様に、様々ながんを発生させる誘因であると同時に、心筋梗塞や肺気腫、気管支喘息などの命に関わるような病気の誘因にもなります。喫煙されている方も身体に悪いのはわかっているのに、ではどうして喫煙をやめられないのでしょう?それはタバコの成分のニコチンが身体にとって依存性があるからです。最近テレビなどでよく麻薬の依存性について報道されていますが、ニコチンも麻薬に引けをとらないくらいの依存性があるといわれています。すなわちニコチン中毒の状態であるため、ニコチンがきれるとニコチンが欲しくなってまたタバコを吸ってしまうわけです。喫煙している方がなかなか禁煙できないのは意志が弱いからではなく、ニコチン依存症という病気だからなのです。このような喫煙のメカニズムがわかってきたため、最近ではいろいろな禁煙治療 補助薬というものも出てきています。中でも私がお勧めなのは、身体の中にニコチンが入ってきても脳に快感を与えないようにブロックする内服薬です。この薬は最初の時期はタバコを吸いながらでも治療ができ、そのうちタバコを吸ってもおいしくないと思い始めるので自然に喫煙をやめられ、経験がある方もいらっしゃると思いますが禁煙による体重の増加もある程度抑えてくれます。この薬を使っての禁煙治療は約3ヶ月のプログラムで外来でも行うことができ、保険診療の対象である方は禁煙外来を行っている病院であれば、自己負担額合計約2万円 (自己負担額が3割の方の場合)で治療が受けられます。高いように思われるかもしれませんが、例えば1日タバコを1箱吸う方であれば約2か月分のタバコ代です。何よりタバコが原因で病気になってしまったら治療費でもっとお金はかかりますし、場合によっては働けなくなり収入が減ってしまいます。これからタバコ税も上がるかもしれませんので、喫煙をされている方は自分自身の身体と、一緒に生活している家族の身体のために禁煙してみませんか?

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