前回は胃がん、大腸がんの早期発見・早期治療のためにがん検診を受けましょうというお話をさせて頂きました。今回は、「胃がんになりやすい人はどんな人か?」、「どうすれば胃がんになりにくくなるのか?」ということを中心にお話していきたいと思います。 胃がんは2006年における日本のがん死の原因疾患として、男女共に第2位となっています。多くの胃がんは、腸上皮化生(ちょうじょうひかせい)と呼ばれる胃粘膜の変化を起こしたところから発生しやすいといわれています。この変化は胃粘膜があたかも腸粘膜のように置き換わってしまう現象で、慢性胃炎などで起こりやすくなります。その為慢性胃炎を起こす原因が一般に胃がんの誘因であり、それの代表的なものには喫煙と高塩分食、ヘリコバクターピロリ感染症があります。ある研究によると、喫煙をする人は喫煙をしない人に比べ約1.5倍、高塩分食をよく食べる人はあまり食べない人に比べ約2倍、ヘリコバクターピロリ菌に感染している人は感染していない人に比べ約5倍胃がんになりやすいと報告されています。このことから胃がんになりにくくするには禁煙、塩分摂取を控える、慢性胃炎がありヘリコバクターピロリ菌に感染していたら除菌するということが必要です。また胃がんになったことがある人、家系に胃がんになった方がいる人も胃がんになりやすいといわれていますので、定期的な胃バリウムや胃カメラなどでの検診をお勧めします。 一方これらのことが全て該当しない人も胃がんになることはもちろんありますので、同様の検査を定期的に受けて頂いたほうがよろしいと思います。以上のことから胃がんに対する対策として、胃がんになりやすい誘因がある方はそれらをなるべく無くしつつ1年に1回は胃の検査を受けて頂き、胃がんになりやすい誘因がない方も定期的な胃の検査を受けて頂くことをお勧めします。 ちなみに私自身はどうかというと、喫煙はせず、メタボ体型の私の身体を気遣う奥さんの食事は塩分控え目、ヘリコバクターピロリ菌にも感染していません。しかし2年前の31歳の時に胸やけがするのでそろそろ30歳も過ぎたし一度胃カメラをしてみないといけないなあと思い、最初自分で経鼻内視鏡を鼻から入れようとしましたがうまくいかず、結局他の先生に入れてもらいました。結果は食道と胃の境目が少し緩く、胃酸が逆流しやすい状態となっていました。そろそろ2年経ちましたので、誰か他の先生にまた胃カメラをしてもらおうと思っております。自分でできると良いのですが…。

